新型コロナウイルス感染癥対策の一環として、オフィス、家庭、飲食店、病院などあらゆる場所で空気清浄の必要性が高まっています。PM2.5問題が世界的に注目された2012年と同様に、空気清浄機の需要も2020年に大きく伸びました。
そのなかでダイキンには「空気で答えを出す會社」として、グループの力を結集し、場所や目的に応じてお客様の安心をサポートすることが求められています。
ダイキンは、多様な空気清浄ソリューションの提供にいち早く著手。換気機能付きエアコンのラインアップを拡充、室內の熱を回収できる業務用換気機器も製品化しました。また、空気?換気のお悩みをWEBサイトの相談窓口や電話で受け付けるなど、さまざまな情報発信を2020年4月から続けています。
さらに、醫療現場の切迫したニーズに応える陰圧裝置2製品を2020年5月に上市。グループ會社の日本無機株式會社が、獨自のHEPAフィルタ技術をもとにわずか1カ月で製品化しました。
陰圧裝置は、周囲よりも気圧の低い「陰圧」という狀態をつくり、気流を一定方向へ制御する裝置です。感染者を陰圧狀態の空間へ隔離することでウイルス混じりの空気の拡散を防ぐ役割を果たします。また、精密機器用クリーンルームの陰圧に使用される高性能HEPAフィルタは、空気中のウイルス捕集にも効果を発揮します。
新たに開発した陰圧裝置の特長は、建物の大規模改修工事をしなくても陰圧室をつくれることです。窓を排気口代わりにして取り付けられる「可動式陰圧排気ユニット」、室內の一角をテント狀の臨時ブースにできる「組み立て式陰圧ブース」ともに、醫療現場の負荷を低減できます。
続いて8月に、軽量なアルミフレームを使った「折畳み式陰圧ブース」を発売。醫療従事者の聲に応えた製品で、必要な時に10分ほどで組み立てられ、使わない時はコンパクトに収納できます。隔離エリアや動線を十分に確保できない小規模クリニックなどでも活用されています。高齢者施設からは「病院と同等の設備で、安心感が大きい」という評価も得られました。2021年3月末までに、500以上の施設で約2,000臺が導入されています。
また「可動式陰圧排気ユニット」は、HEPAフィルタを搭載した高性能空気清浄機としても利用できます。飲食店やスポーツジム、葬儀場など、不特定多數の出入りを避けられない空間での感染対策ニーズにも応えています。2020年11月には、東京の國立代々木競技場で開催された體操國際競技會で採用されました。
微細なウイルスにも有効な空気清浄があらゆる場所で求められるなか、ダイキンはさまざまなソリューションでニーズに応えています。その一つとして2020年12月、商業施設などの換気機能を強化できる、抗ウイルスHEPAフィルタ搭載薄型空気清浄機を発売しました。
これからも空調や換気、フィルタの技術を活用した新製品を創出し、空気清浄を必要とする人々へ最適なソリューションを提供し続けます。
當院は新型コロナウイルス感染癥患者を積極的に受け入れている感染癥指定醫療機関です。増加する重癥患者の受け入れ準備が早急に必要となり、折畳み式の陰圧ブースを導入しました。確実な陰圧環境を簡単につくることができ、醫療従事者が安心して処置を行えます。
國立研究開発法人
國立國際醫療研究センター(NCGM)
HCU看護師長
髙橋 美穂 氏